戦わないヨーヨー

2026.04.02

昨今、「幅の広いヨーヨー」がスタンダードとなりつつあります。
幅の広いヨーヨーはヒモに乗せやすいという絶対的なメリットから、初心者にとっても、競技者にとっても手に取る理由がわかりやすいです。
一方で、完全にトレンドとは逆行しているにもかかわらず、いまだに根強い人気があるのが”ゴパ”や”ブラーオートスコピー”といった「幅が狭い・軽いヨーヨー」。
ヨーヨーを始めたばかりの方にとっては、そういったヨーヨーは玄人向けで扱いにくいイメージすらあるかもしれません。
極端な幅広トレンドの今、「幅が狭い・軽いヨーヨー」が現代のヨーヨーシーンにどのような価値をもたらすのか、新たな視点で見直してみたいと思います。

「幅の広いヨーヨー」は上級者向け?

幅広ヨーヨーの最大のメリットは、言うまでもなくストリングに乗せやすいということ。
イーライホップなどの単純なマウントで成り立つトリックを習得する際には、ヒモに乗せること以外の部分に集中して練習することができ、習得までの道のりを楽にしてくれます。
競技シーンでも体を使ったアクロバティックな高難易度トリックを強力にサポートします。
ただ、一部トリックを容易にする反面、意図せず複数のストリングに乗ってしまうミスと隣り合わせでもあります。
そのため、ダブル・オア・ナッシングやリストマウントのように、「1本だけを正確に捉える」必要があるトリックの習得にはあまり向いていません。
幅広ヨーヨーを用いて、狙ったストリングのみにマウントを行うことには、それなりに技術が求められます。
そういった意味では、幅広ヨーヨーはある程度上級者向けであると言えます。

感触の違い

傾向として、幅広ヨーヨーはフワフワする感じを覚える方が多いです。それはそれで好きという方はいらっしゃいますが、”ヨーヨーを自分の思うままに振り回せる気持ちよさ”は幅の狭いヨーヨーに軍配が上がります。
幅の狭いヨーヨーはストリング上のどこにあるのかを把握しやすく、レールの上を走っているような軽快なプレイフィールを感じさせます。
また、ゴパやブラーオートスコピーは、その軽さが特徴の一つです。
重たいヨーヨーはよく回りますが、長時間触っていると疲れを感じやすいです。
軽いヨーヨーは気軽に手に取りやすく、長時間のプレイングが苦になりません。
使っていて気持ちの良いヨーヨーは、自然にヨーヨーに触れる機会を増やし、それは結果的に上達の近道にもなります。

競技だけでは語れない「ヨーヨーの楽しさ」の本質

幅広ヨーヨーが「戦うためのヨーヨー」として進化を遂げる一方で、幅狭・軽量ヨーヨーは「遊ぶためのヨーヨー」としての本質的な魅力を再提示します。
競技においてトリックの成功率は重要ですが、ヨーヨーで遊ぶ行為そのものの楽しさは、必ずしも成功率に比例するわけではありません。むしろ、ある程度の「不便さ」や「制限」があるからこそ、そこに挑戦し、乗り越える過程で達成感による喜びが生まれるという側面があります 。
例えば、けん玉の穴が大きすぎれば、刺すことへの達成感は薄れるでしょう。ヨーヨーでも似たようなことが言えると思います。
他にも極端な例ですが、”ファイブ“はトラピーズの有効幅が5mmしかなく、上級者でもトラピーズに失敗することがあるヨーヨーです。しかし、その「制限」により初心者と上級者が同じ土俵で遊べる”ファイブバトル”が成り立っています。
幅の狭いヨーヨーは、ストリングに乗せることそのものの難易度が上がり、ヨーヨーのコントロールに集中力をより求められます。この「制限」による難しさが、より面白いトリックにチャレンジしたくなる挑戦心をくすぐり、ヨーヨーの根源的な楽しさを見つめ直すきっかけを作ってくれます。

ヨーヨーリクリエーションの製品の中でも、幅の狭さ・軽さを活かしたモデルを紹介します。

「幅が狭い・軽いヨーヨー」は決してオールドスクールではありません。ヨーヨーの普遍的な楽しさをもつ、トレンドに左右されないエバーグリーンなヨーヨーです。

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